2007年7月25日水曜日

―Sky―【SITS.Story.】 第肆話~復帰~

この物語は全てフィクションです。(念のため)

Skyの世界のパラレルワールドであるもう一つの世界でのお話・・・。

―Sky―【SITS.Story.】 第肆話~復帰~

「ふむ・・・。」
あれから五分ほどたった。
結局何作るかがきまらずだらだらと時間だけ過ぎた感じだ。
「むむむむ・・・・・・・・。」
「眉間にしわがよってるよ。」
名美がそんなことを言ってくる。
「いや、別によってても良いんだけど・・・。」
「しわが付くよー・・・。」
とにんまり笑って言う。
「せっかく可愛い顔になったのになぁ・・・♪」
「黙れ。」
さっきどっかいった華月がいつの間にか戻ってきていた。
「何処行ってたの?」
「野暮なことを聞くんだな。」
・・・ようは便所か。
と結論付けて再び思考へ。
「あう~~~~~~。何も思いうかばねぇ・・・・・・。」
「こうなったら扇子作れ。扇子。」
意味のわからないことを言い出す我が相棒。
「鉄扇なんか作ってどうすんだよ。しかも鉄芯もって来た意味ないし・・・。」
てきとーに反論をする。
「んじゃ何が良いんだよ?バナナでも作るか?」
鉄のバナナ・・・?
「作れたら面白いかもしれないがかなり無意味だよな?ってか、なんでバナナなんだ!?」
「んじゃ、りんご。」
「食い物から離れろ!」
とりあえず殴っとく。
当然のように避けられた。

―午後一時半―
結局何も案が出ないまま実習の時間になった。
「何やるんですかー?」
「ぁー。何か作りたいものある人ー?」
と聞く。
がやがやと周りと相談したりしているあたり何か作りたいものとかはないようだ。
「バナナー。」
と、遠くから聞こえてきたが無視する。
ふむ・・・。
と考えようとしたとたん。
・・・!
後方に飛んだ。
直後、
ぶしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!
飛来してきた濃い青色の液体の入ったフラスコが割れ、中の液体が地面の上に広がり、その液体が触れた植物を枯らしていった。
「・・・。」
沈黙していると。
「無視すんなー。」
と、声をかけられた。
「貴様は自分の仕事をやらんかい!」
とりあえず突っ込んでおき振り返る。
「ぅゎー・・・・・・。」
一番前に座ってたやつが驚きのあまり昇天しそうになっていた。
「そうだ!包丁作りたい!」
何も知らない・・・というより騒いでいたせいで前での騒動に気づいてない後ろのほうのやつがそう叫んでいた。
「んー。刃物は難しいんだよねぇ。・・・まぁ、いっか。んじゃ包丁よりかは簡単なナイフでも作っとこうか。
といって鉄芯を切り分けて配った。

―5分後―
一通りの説明を終えた。
「そんじゃー、てきとーにデザインとか考えててきとーに作ってってねー。」
無論半日やそこらで素人が作れるとも思ってないが・・・。
拙者もいろいろと失敗を重ねてなんとか刀が打てるようになったんだし・・・。
暇だったので自分も鉄芯を切って小太刀を作ることに。
「なにやってるのー?」
名美がやって来た。
「んー?小太刀打ってるのー。」
「ふーん・・・。」
と微妙な返事をしつつ手元を覗き込んでくる。
「あんま近寄るとやけどするぞ。」
「させたら一生うらんでやるんだから。もしくは責任とってもらうからねぇ♪」
と注意したら返された。
責任も取りたくないしうらまれたくもない。
ということで、
ごすっ。
頭突き!
自分も結構痛かったがそれは我慢。
「いった~・・・。何すんのよー!」
とむくれながら文句を言っている。
「危ないって言ったでしょう。」
「む~・・・。」
とむくれているが放っておく。
―30分後。―
拙者はできたのでぼーっとしていたら風がやりたいと言ってきた。
「ほんまでっか?」
「何語?」
首を傾げられる。
「いや、まぁ、いいけど・・・。何作るの?」
「私短剣の扱いには自信があるんだー。ということで短剣を作りたい。」
短剣・・・。
まぁ、あそこにはナイフとかしかなかったしなぁ・・・。
変な気配もあったし。
ナイフだけであそこで生きてたってことはかなりの腕前・・・?
さっとそんなことを頭の中で考えて、
「んー。まぁ、良いんだけど、なんならせ、私が作るよ?」
「いえいえ、やっぱり自分で作ったほうが愛着がわくでしょう?」
と言われる。
拙者も鍛冶を始めた理由はそれだし別に止めやしないが・・・。
「結構辛いぞ?熱いぞ?かなりの確立で失敗するぞ?」
「うん。大丈夫そんなことは覚悟のうちだよ。」
ふむ。
まぁ、いいか。
「決意は・・・固いか?途中で放棄するくらいならここでやめといたほうが身のためだぞ?」
「そんな脅しに屈しなくらいには決意硬いよ。」
なかなかに頑固というか強情というか。
まぁ、そういう面で強いのはいいことだが。
「よし、それなら良いだろう。とりあえず説明だが・・・。まぁ、ざっと簡単に説明すると、まずは刃物の核とも言える『芯』を作らなければならない。まぁ、今回はあらかじめ拙者が作っておいた(かなり昔に作りだめしたもの)があるから別にいいが、基本的にはここからはじめる。というか拙者は始めていた。この『芯』の強さによって武器の限界や耐久度なども変わってくる。『芯』が硬く、強く、鋭いほどいい武器になるのだ。芯も刃物の一部だから当然鋭さも必要だ。さっきいった鋭いほどいいってのはそういうことだ。『芯』の『鋭さ』というのは『美しさ』に置き換えても大丈夫だろう。で、美しさとは何かというと、どれだけ端麗にできているかだ。『ごつごつした芯』よりも滑らかで、『できる限り完成形に近い形のもの』ほど良い。だからといって完成形とまったく同じが良いという訳でなく、刃物のような薄い部分を作るとそこから『芯』が痛んで・・・って、大丈夫か?」
見ると変な顔をしてボーっとしていた。
「貴輝もそんな風にしゃべれるんだねー・・・。」
と感心した風に言われた。
「・・・話を戻すぞ。」
たしかにこんなに連続でしゃべることはそうないが・・・。
と思いつつ言う。
「あ、うん。」
返事をするのを確認してから戻る。
「で、だ。ぇー。さっきまで話してたところまでは大丈夫だな?」
こくんとうなずく風凛。
「よし。ぇっと『芯』が痛むと・・・ってところまでだったな。でわ、『芯』が痛むとどうなるか。そこから刃物全体が壊れ始める。故に『芯』に刃のような鋭い部分は作ってはだめなのだ。だが、『芯』自体は鋭くなければならない。ここら辺が難しいところだな。さて、『芯』に関してはこんなところで次は刃と刀身についての説明だが、まずは刀身を作らなければならない。当然だな。刀身はまず刃のことをあまり意識せずに大体の形を作ってしまってそれからあとで刃をつける・・・というか打つんだ。『刃』は当然ながら『芯』とは違い非常に鋭くしなければ意味がない。相手を切ることのできない刀なんぞ刃のない出刃包丁のようなものだからな。その点西洋剣は『斬る』のではなくて『叩き切る』という風だから刃に関してはあまり気にしなくても大丈夫だが・・・短剣だろ?なら切れ味が良くなければ意味がないな。短剣やナイフといったものも切れ味が最終的にものを言う。西洋剣は重量があるから叩き切れるが短剣やナイフにそんなものを要求したところでどだい無理な話だ。だから短剣やナイフは切れ味がいいものが良いのだ。で、その場合どのように刀身を打っていくかだが、こればっかりは慣れてもらうしかない。基本的なことはとりあえず肉付けすると思って溶かした鉄を自分の思った量をつける。それが固まりきる前に急いで形を整える。さっきせっ、私が作った小太刀もそういう風に作ってあるし。慣れろって言うのは自分にとってどれくらいが一番ちょうどいいかとか、個人の打ち方によってはどれくらい鉄がいるかって言うのも変わってくるしな。んで、刃こぼれとかの直し方だがやはりこれも鉄をつかってその刃こぼれの部分を覆う、もしくは一度その物自体を溶かしてもう一度打ち直す、のどちらかになる。後者のほうが楽だが時間とか手間とかいろいろとかかるのであまえりお勧めしない。前者のほうも時間の短縮になるが結構難しい。まぁ、拙者のやりかたを教えるとその部分にだけ熱を加えて打ち直すというやり方をとっている。これはこれで難しいのでそこらへんはまぁ、てきとーにじぶんにあっているやりかたでやっていただけるとありがたい。・・・だいたいの説明はこんなものかな。」
「お~・・・。」
感心された。

―さらに1時間30分後―
午後の実習が始まってから二時間がたった。
がきどもはもうお帰りのようだ。
これまたお決まりのあいさつをしてまた演説を頼まれる。
「が・・・」
「貴様がやれ!」
すぱーん!
後頭部をハリセンで張り飛ばす。
で、やる気のない演説を聴き終えガキどもはぞろぞろと去っていった。
「いやー、一部のやつが不恰好とはいえ完成させたのは驚きだなぁ・・・。」
「こっちもだな。ほれ薬の作り方教えたんだが皆うまいこと作っ・・・」
「ちょっとまて!」
今不審な単語が・・・!?
「ほれ薬?」
「おう。」
普通に応答する相棒。
「完成させた?」
「おう。」
またも普通に応答する相棒。
「・・・やばくない?」
「おう。」
さっきからおうしかいってないよお前・・・。

―10分後―
とりあえず先ほどの問題はほうっておいて。
「これ元に戻せ!」
絶叫。
「はいはい。動脈注射。」
グサッとさされる注射器。
「二回もあんな衝撃うけたらお前からだ壊れるよ?」
「そんなだったら人を実験台に使うな!」
と、
「ぐっ・・・!」
きた・・・。
今度はみしみしと音を立てながら急激に体が大きくなっていくようだ。
「うごぁ・・・。ぐふぁ・・・!」
「変な声。」
人が苦しんでいるのを見て言うのがそれか・・・!?
とりあえず・・・これで元に・・・。
意識が途切れた。

―三時間後―
「・・・うぅ・・・。お?」
「目が覚めたか。このくそやろー。」
戻ってる!
「ってか、お前に糞野郎呼ばわりされる筋合いはない!」
ズヴァシッ!
ハリセンアタック!
「いつつ・・・。本気ではたきやがって・・・。」
「今までのお返しだ!」
ちなみにハリセンは今の一撃で粉砕している。
「まったく・・・。」
とため息をついていると。
「あぁ、そうそう。ひとつ言っておこう。」
「んあ?」
部屋に帰ろうとしたところを呼び止められて振り返る。
「これから先は男女は自由に変われるぞ。多分だけどな。」
「はぁ?どういう意味?」
突拍子もないことを言い出す我が相棒に変な顔で聞き返す。
「いや、薬が体内に『取り込まれた』からな。お前の意思ひとつで変われるぞ。」
「へぇ~。そんなものなんだ。でも、あの苦痛だろ?もういやだぞ・・・。」
と渋い顔で言うと。
「あぁ、多分これからはそんなことはないと思う。体に耐性ができてるはずだから。さらさらっと変われるはずだ。」
「あっそう。そら便利でいいや。」
と気のない返事をして部屋に戻っていった。
「ぅお~い。」
「ん?」
風凛だった。
「今日はありがとう!また明日も教えてね~。」
と今日作った短剣を持って自室に入っていった。
「・・・寝よう。」

~後書き会話~
貴輝「ふぅ・・・。」
華月「今回俺の名前が急に華月になったな。」
貴輝「まぁ、澄夜がもう一人現れたし。」
紅月「・・・私ですか?」
貴輝「そうでーす。」
風凛「今回私の出番少なかった。」
貴輝「役柄的に今回は動かしづらかったんだ。まぁ、ちゃんと短剣作ってたじゃないか。」
風凛「作ってる過程は書いてくれないんだ。」
貴輝「・・・ま、また今度な、今度。」
華月「何あせってるんだか・・・。」
名美「私のお色気シーンは!?」
貴輝「また突拍子もない・・・。そんなものが欲しいの?」
名美「私ってドラ○もんで言うところのしず○ちゃん的な存在なんじゃないの?」
貴輝「まったく持って違う。お前もヒロインの一人だがお色気担当ではない!」
華月「んじゃほかに誰かいるのか?」
貴輝「・・・・・・・・・・・。いないねぇ。」
華月「まぁ、この物語にお色気はいらないだろう。」
貴輝「ってか、変な会話になったなぁ・・・。」
華月「誰のせいだろうね?」
貴輝「・・・なぜ拙者をみる?」
華月「いや、別に・・・。さて、俺はもう寝るかな。」
紅月「それでは私も・・・。」
風凛「皆寝るみたいだからあたしもー。」
わいわい・・・。
しーーーん。
名美「二人っき・・・!」
貴輝「はーーーーーい!!終わり終わり!お前今日は何なんだ!?どうしてそんなことばっかり言うの!?」
名美「それは・・・貴輝君のことが好きだからです!」
貴輝「・・・・・・目が笑ってるぞ?」
名美「あはっ♪ドキッとした?ドキッとした?」
貴輝「あーあー、はいはい、擬人化名美たんにドキッとしたましたとも。ええ。」
名美「なにその擬人化って・・・。」
貴輝「人じゃないし。・・・っと、何か長くなったな・・・。それでわ、皆さん!また次回!お会いしましょうー!!!」
名美「今日一緒に寝よ!?」
貴輝「いい加減黙れ!?」

To Be Continued...

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